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「異文化理解」の授業から … 飽食の向こう側


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ローマのサンピエトロ広場で飢餓撲滅を訴える法王フランシス



人社2年生の後期には、私が担当する「異文化理解」という選択科目がある。今学期は、視聴覚教材として海外ドキュメンタリーのDVDを視聴する機会があった。日頃私たちが飲んだり、食べたりしているコーヒーや食品の原材料がどこから来ているのか?誰が生産しているのか?視野をすこし拡げて、現在の世界がどうなっているのか、を考えるきっかけにしたいと思った。

アフリカのエチオピアでコーヒー豆を生産する農家は、コーヒー豆の取引価格が安すぎて貧困にあえいでいた。また、南米ブラジルの貧しい村では、先住民のインディオの末裔と思われる家族が飢餓に苦しみ、家畜もまた肋骨のあとがくっきりと浮き出ており、村人は農薬に汚染された飲み水で喉の渇きをいやしていた。映像を見ながら、文化人類学者レヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』を思い出した。

1930年代のブラジル内陸部、熱帯雨林が生い茂る自然の中、先住民のボロロ族の家族が一糸まとわぬ姿で地面に寝そべり、屈託のない笑顔を見せていた。レヴィ・ストロースが目撃したのは、まさに地上の楽園であった。ところが、1世紀も経たないうちに楽園は消え失せ、その末裔たちは力なく、悲しい表情を浮かべている。彼らが大農場主から受け取るわずかな報酬では、満足な食料も手に入らない。農産物の大部分は先進国の市場に行くのである。

12月中旬、カトリック教会の社会福祉部門・国際カリタスは、飢餓撲滅のキャンペーンをスタートさせた。「人類は1つの家族、すべての人に食べ物を(ウナ・ソラ・ファミリア・ウマナ アリメントス・パラ・トドス)」。カリタス本部のあるローマでは、法王フランシスがこのキャンペーンへの支援を訴えた。「この豊かな世界で、多くの人が飢えに苦しんでいることはスキャンダル(恥ずべきこと)である」と。

年の瀬の日本、私たちは飽食の光景の向こう側に思いを馳せる必要があるように思う。

(投稿者:岩田)

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