基礎ゼミでこんなことを 2

前回は、基礎ゼミの活動としてペン習字をしていることを紹介しました。今回は、もう一つの活動を紹介します。それは敬語です。佐々木ゼミが後期の書籍として選んだのは「大人の敬語コミュニケーション」という本です。学生にとって、敬語は「教科書に載っていて授業で教えられた記憶があるが、わかりづらかった」という印象が強いようです。そこで、理論的側面に偏らず、実践的なアプローチが必要だろうと判断しました。正しい敬語を使えるようになるには、場面設定をして、そこでどのように話せばよいのかを具体的なセリフで表現し、実際に話す練習が必要だろうと考えました。

場面は、会社員が外部の人を相手に何かを説明する、いわゆるプレゼンテーションです。

悪い例の文を提示しました。 

状況:開始前、担当者らしき若手社員は始終落ち着きがない。聞き手が時計を見たり、難色を示しながら待っている。

 ①開始

「お疲れです。じゃあ、僕の方からですね説明の方したいと思います。さっき配ったやつです、えっと資料の方を見ながら説明の方を聞いてもらいたいと思います。質問の方は後でするということで、いいですよね」。

②スクリーンを指して

「こっちだと字がちっちゃくて見づらいと思います。さっきのやつ見てください。あ、資料です。資料の方を見て、読んでください。その方がベターです」。

③原稿またはスクリーンばかり見ながら

「うちの会社が、一番売りにしているのはやっぱりスピーディな対応っていうことですね。知ってのとおり、うちは道内に支所がいくつもあるじゃないですか。なので、注文されてからすぐに一番近い支所に連絡とって、皆様の方へ商品の方を発送することになります。発注してから納品までに時間がかかるとストレスたまるじゃないですか。それをなくするっていうのにうちの場合、こだわってるんですよ。なので、早い対応を期待するなら

うちへの発注の方をお願いします。」

(プレゼン終了後)

「なにかお分かりにくい点がありますか。いいですね。じゃあプレゼンの方終わりでした。」(以上悪い例)

学生たちはシナリオを読みながら、「これはひどい話し方だ」とつぶやきながら音読していました。みなさん、どこに問題があるか、何点くらい指摘できますか。

次に正しい例のシナリオを提示しました。

開始前、担当者らしき若手社員が時計を見てそろそろ時間であることを確認する。

 ①開始

「おはようございます。それでは、私からご説明申し上げます。さきほど配付いたしましたお手元の資料をご覧になりながらお聞きください。ご質問の方は、後ほどお受けいたします」。

②スクリーンを指して

「前方のスクリーンでは文字が小さいため、ご覧になりにくいかと思います。お手元の資料の方がお読みになりやすいかもしれません」。

③原稿またはスクリーンばかり見ながら

「それでは本題に入ります。当社が、最も心がけているのは迅速な対応です。ご存知かもしれませんが、道内にいくつかの支所がございます。ご注文をお受けしてからすぐに最寄りの支所と連絡をとり、支所から直接商品発送をすることが可能です。発注から納品までの時間をより短縮することを最優先しております。お急ぎの際は、ぜひ弊社への発注をお願いいたします」。

(プレゼン終了後)

「お分かりになりにく点がありましたら、ご指摘ください。よろしいでしょうか」。

「本日は皆様の貴重な時間を割いていただきありがとうございました」。以上

このよい例を何度も音読して自分のことばになじませます。実際に、同じような状況になったとき、自然な口調で出てくるようにするのが目標です。