HIT寄席 古典芸能に親しむ夏の夕べ

sutaffu.JPG今日、人間社会学科主催のイベントがありました。なんと落語会です。このイベントは梶谷先生の「日本の文化」という講義の関連で企画されました。

 今回、14名の学生がイベントスタッフとして開演の3時間以上前から、会場設営、受付、音響操作そして片付けまで、ありとあらゆる仕事に携わりました。左の写真は、会場設営が終わり、ちょっと余裕ができたところで撮ったものです。この写真を撮る前は、みんなTシャツ姿で、演台づくり、椅子並べなどに必死で、汗だくでした。イベントの内容が落語なので、今回のスタッフユニフォームははっぴです。開演前、お互いに、「似合うねえ」などとほめあっていました。

不思議なもので、こういう服装をすると、受付で「いらっしゃいませ」とご挨拶をするのが妙にさまになります。

 さて今日の落語会のお客さんは、道工大の学生、教職員、地域住民の方々と、多様です。落語を生で聞くのは初めてという人もいることを考慮して、柳家三三(さんざ)師匠の、「落語解説」から始まりました。舞台の上手(かみて)、下手(しもて)と登場人物の関係、小道具の扇子(通称かぜ)と手ぬぐい(通称まんだら)の使い方など、ていねいに教えてくださいました。中でもありがたかったのは、客席の学生の中から一人を選び、そばを食べる描写を体験させてくれたことです。本来なら、師匠に弟子入りしなくては教えてもらえない技を、直に伝授していただきました。

 落語解説からそのまま自然な流れで一つ目の落語に入りました。演目は、「転失気」です。

落語のあとは、神田ひまわりさん(女性の講談師です)による講談です。これも貴重な体験です。

寄席のない北海道では、日常的に生の落語を聞くことはできません。ホールなどで行われる独演会がたまにあるというのが現実です。いわんや講談おや、です。その講談を、大学の中で聞けたのです。登場人物が、誰でも知っている歴史上の人物でしたので、理解しやすく、講談って思っていたよりわかりやすいなあと思った学生も多かったでしょう。

10分間の休憩(仲入り)をはさんで、二つ目の落語です。夏の寄席では、怪談話がかけられます。そのとき、場内の照明を全て消し、前座が場内に幽霊の格好をして現れ、お客さんを驚かすという枕をふり、そこから「皿屋敷」に入りました。ネタは古典落語なのですが、随所に現代感覚のギャグ(くすぐり)が入っていました。すっかりと引き込まれ、あっというまに落ちになっていました。落語が終わった直後は、本当にこれで終わるのか信じられないという客席の空気を感じました。5時に開演してから約2時間、たっぷりと古典芸能に触れ、プロの語りに酔いしれる夏の夕べ。いまだかつて、こんなイベントが大学で行われたことはなかったでしょう。

 全ての演目が終わったあと、スタッフの学生だけではなく、純粋に落語を聞きにきただけの学生も後片付けに加わりました。若者が、てきぱきと働いている姿というのはすがすがしいものです。これが、人間社会学科で求めている「人間力」の一面に違いありません。さて、学生諸君は、今日で提起試験が終わり、明日から夏休みです。片づけをしながら、「夏休み何する?」「いいアルバイト知らない?」といった会話の中で、三三師匠が落語解説の中で触れていた「微妙」という言葉が聞こえてきました。願わくば、微妙ではなく、絶妙な何かを見つけられる夏であってほしいものです。